>■ヤポネシア横断隊ありがとう!

[2007/1/12]

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スロータートル(SLOW Turtle)へようこそ T-shirts, Tシャツ, インディアン, 反戦
↑第 4 次瀬戸内カヤック横断隊、出航の様子

スロータートル(SLOW Turtle)へようこそ T-shirts, Tシャツ, インディアン, 反戦
↑'02 ビッグフット・メモリアル・ライド

スロータートル(SLOW Turtle)へようこそ T-shirts, Tシャツ, インディアン, 反戦
↑いざ! セトネシアの島々へ

 
スロータートル(SLOW Turtle)へようこそ T-shirts, Tシャツ, インディアン, 反戦
↑目指すは海の神様のおわすところ、遥か 300k 西の祝島!

11月14日、日の出頃、昨年と同じ小豆島ふるさと村の海岸に浮かぶ色とりどりのカヤックを今年はその横側の防波堤から眺めていた。

今回はいろいろ考えた末に漕ぐことは断念して、見送りや出迎えなど出来ることで参加しようとカヤックを持たず、代わりにビール1ケースを差し入れに持って駆けつけた。

去年の今ごろは、海は凪いでいたにも係わらず緊張とこれからどうなるのかわからん不安で、今目の前でウォーミングアップとばかりにフネを左右に揺らせたり、軽くパドルを漕ぎながら、まだ準備をしている何人かの隊員を待ちながら優雅にカヤックをあやつる、瀬戸内や太平洋の海を、はたまた何人かは海外の海も何度も漕いできた歴戦のカヤッカー達とこれから、さあ共にここ瀬戸内に漕ぎ出すんだ! 

・・・なんていう喜びなんかに全く浸れなかったなあ〜 と、またその時の感じが胃の辺りに軽く蘇った。

しかし、こんな手慣れた動作で、まるで自分の身体の一部のようにカヤックを扱う隊員たちを見ていて、また違う記憶も蘇った・・。

それは、2002年の12月半ば、北アメリカ大陸のほぼド真ん中にある、一般にはスー族として知られているインディアン達による馬による行進に参加させてもらった時のこと。

これは、正式には「ビッグフット・メモリアル・ライド」と呼ばれるもので、100年以上前に殺された有名なチーフ、シッティングブルの埋葬地からそこから逃れた残りの一団が、ビッグフットというチーフ率いる一団に加わり、そして最後はウーンデッドニーという場所で200人以上が殺され埋められた場所まで、その同じ12月15日から28日まで酷寒のなか馬で行進し先祖の受けた苦しみを癒し、未来へ生存の希望をつなぐという、この辺りに住む人達が部族を上げ毎年行っている精神的な行為としての行進であり、それはそのまま儀式ともなっている・・。

それに馬ではなく、歩きで参加した。

その出発地点、シッティングブルの墓の前でドラムを打ち、祈りの歌を歌い、サークルをつくったあと、頭にイーグルの羽根を付けたチーフ・アーボル・ルッキングホースをはじめ数十人の若き戦士たちが馬に乗り、まるで身体の一部のように馬を扱いながら、そうして一斉に駆け出していった、あの時の風景!

まるで100年前にタイムスリップしたかのような、夢のような光景・・。

彼らは馬で祖先と同じ道を辿り、時々は平原のなか火を焚いて夜には氷点下20〜30℃まで下がるなか眠り、時には吹き付ける吹雪のなか、下は10才に満たない少年から70を超えた長老まで、同じ時間、苦難と喜びを共にして、祖先とつながり、未来を願う。

その時見た光景が、何故かこの横断隊の出発風景にだぶって見えてきて、そうか! 彼らにとっての馬が、この海や島に暮らす俺たちにとってはフネだったんだ! と大いにナットクした。

もちろんこの横断隊には、そんな悲惨な歴史からくる使命や目的は無いことは重々承知しているけれど、それでもこの漕ぎだす海には、かつてこの海を縦横無尽に行き来したであろう水軍や海賊や漁師や船乗りたちの、その過ぎ去った歴史には喜びも悲しみも含めて多くの営みがあっただろう。

そんな時代の祖先の悲しみだけではない、大いなる喜びや自由さを、そんな海の文化を、その失ったスキルと共に取り戻そう。そんな思いは、この毎年続けられる横断隊の願いでもありまた目的でもあるはずだ。

だから、人々が真に自由で、自然が本当に美しかった頃の夢は、ぼくらが願い、また帰ろうとする未来の姿でもあると思う。

知ってか知らずか・・横断隊に参加して、ただ謙虚に懸命に漕いでいるみんなは、この母なる海と来たる未来を癒してくれていると思っている。

それはぼくだけが思ってるんじゃなく、海の神さまがそう思って導いてるんだと思ってる。

だから、そんな大いなる喜びや自由と、原発や戦争は共存できるハズがない。

祝島のおじいやおばあやおっちゃんやおばちゃんたちの900回を越える原発に反対するウォークもきっとおんなじで、それは祈りであり、生き方だ。

遠く水平線に消えゆくまで、見送りながら思った。

その向かう先にはきっと原発もないし、恵み豊かな美しい海と、明るい自由な未来が待っている!

ヤポネシア・フリーウェイ! 瀬戸内横断隊ありがとう!

(ハル・スロータートル)

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詳しくは:

*瀬戸内カヤック横断隊
http://blogs.yahoo.co.jp/oudantai/

*祝島ホームページ
http://www.iwaishima.jp/

*アースデイ@瀬戸内
http://earthday-setouchi.net/

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